衛星データの活用

 衛星データというと、すぐにGoogleMap GoogleEarth を思いうかべるかもしれません。
 Googleの画像には、DigitalGlobe社が保有するWorldViewシリーズ、GeoEyeシリーズ、QuickBirdsなどの地球観測衛星による画像データが使われています。こうした画像は、地理や地形を学ぶ人たちだけではなく、旅好きの人たちなら、見ているだけでもたのしいものです。3次元化することもかんたんにできるし、クリック一つで鳥瞰図的な表示に切り替えることも可能です。さらにはストリート・ビューで、街並みなどの景観を目の高さで見ることができるのですから、とても便利です。
GoogleEarth

 ただ、これらの画像を利用して、なにかの目的のために加工しようとすると、それはちょっとむずかしいでしょう。たとえば、植物の活性を抽出する近赤外線のデータを使うとか、温度分布を調べるために熱赤外線のデータを使うということは、Googleではできません。Googleの画像を3DCG化して、そこに古代の景観を復元する、あるいは将来の都市を鳥瞰図的に表現するということも、なかなかたいへんでしょう。

 そもそもGoogleのデータは、ストリート・ビューをごらんになればおわかりいただけるように、すべてが衛星データではありません。ストリート・ビューが、クルマから撮影されているように、低い高度からの画像も航空機から撮影されたものです。
 そのため、日本の「ALOS(だいち)」やアメリカの「Landsat」などの地球観測衛星から提供される、さまざまな波長のデータは期待できないのです。

 衛星データというものは、さまざまな波長によって取得されたデータを利用することで、その応用範囲はとてもひろくなります。たとえば衛星データ(ALOS「だいち」)と標高データ、地表面データを組み合わせることにより、現在の地形の上に、古代の景観を復元することも可能です。

女影
Sample 1. 衛星データと3DCGによる景観復元
 上の画像は、3次元化した衛星データの上に、古代の景観を復元したものです。現在はJRの路線と駅があり、駅前ロータリーやマンションが建ち並んでいる町です。その現在のデータ上に、遺跡群の発掘調査結果をもとにして、700年代はじめの景観を復元したものです。川の位置などはそのままですが、遺跡調査の結果に合わせて川幅を拡張したり、駅や送電線を消して木々におきかえるなど、さまざまな加工をしています。(画像をクリックすると、Movieになります)

Samukawa
Sample 2. 衛星データによる広域のフライ・スルー映像
 地球観測衛星のなかでも、日本(JAXA)の陸域観測衛星「ALSO(だいち)」のような高解像度のデータを利用すると、まさにBird'sEye view(鳥瞰図)の画像を作ることが可能です。さらにそのBird'sEye viewを連続的に構築してゆくと、まるでヘリコプターから地上を眺めているようなMovie になります。
 Sample2.は、房総半島から東京湾の上空を通過し、西の箱根方面へ向かう景観をMovieにしたものです。Web上にのせるためにデータ・ファイルを小さくしなければならないので、残念ながらここでは解像度を低く設定していますが、もちろん高解像度でのMovie製作も可能です。(画像をクリックすると、Movieになります)